Sunday, June 16, 2013

最後の診察室


2010年の寒い冬の日のことでした。
MUSUBI FOR WOMENは、ある屋根裏ではじまった奇跡のようなプロジェクトでした。細い薄暗い階段を抜け、ドアをあけると、そこであなたは美しいナースに出会います。

まるで眠り姫の糸巻き小屋のような。
そこはこんがらがった恋を導く秘密の診察室でした。

3年半もの間、プロジェクトを続けることが出来るとは最初は思ってもみませんでした。本当に多くの方の陰ながらのお力添えのおかげと感謝いたしております。そして多くの素晴らしいお客様に恵まれましたことも、私にとってこの上ない喜びでした。

一身上の都合により「最後の診察」となりますことをお詫び申し上げます。またいつかどこかで「診察」を再開した時はお知らせいたします。

今まで、ありがとうございました。


澤辺由記子(temp press)

Sunday, May 05, 2013

期間限定/WEB SHOP OPEN



期間限定のWEB SHOPをオープンします。

temp press market

おなじみのものも、そうでないものも、色々とお買い物することが出来ます。ちょっとしたプチオーダー出来るのもあります。時折、レアな一点モノを投入することもありますのでお見逃し無く。

お支払いはカード決済と銀行振込とお選び頂けます。
商品のお届けはレターパック350。

最新製品投入情報はTwitterでつぶやきます。

Saturday, March 02, 2013

ART PICNIC #7  temp press workshop詳細

3/16(土)にディクショナリー倶楽部で開催されるART PICNIC#7で活版ワークショップを担当します。今回は同時に2つのワークショップを行います。



ワークショップ 1
「わたしのLETTER」

印刷インキで手染めしたtemp pressの定番封筒「tinted envelope」のXS, M, Lの3サイズからいつづつお好きなお色をお選び頂き、専用カードにあなたのイニシャルを活字で刷り入れてオリジナルのレターセット作りをするワークショップです。今回のインクはネイビーを使用します。普段は手に入らないレアな柄も登場いたします。すべて一点モノの封筒です。

・tinted envelope XS, M, L各1枚・3点
・専用カード付き
・アルファベットでイニシャル刷り入れ(活版印刷)

参加費/1000円
所要時間/約10分
予約不要(受付順)

※封筒が無くなり次第ワークショップは終了致します。
※組版等の作業はこちらで行います。印刷自体は参加者ご自身で体験出来ます。


ワークショップ 2
「わたしのPAPER NAPKIN」

ちょっとしたお裾分けに、春の行楽に、3時のおやつに、または便箋としても。あなた次第で様々な使い方が出来るイニシャル入りのオリジナルナプキン作りのワークショップを行います。temp pressのおススメはリボンをかけてラッピングに使うこと。すぐにお使い頂ける様にサテンのリボンもお付け致します。あなただけの春のオリジナルナプキンを作りましょう。

・ペーパーナプキン5枚
・ラッピング用サテンリボン付き
・アルファベットでイニシャル刷り入れ(活版印刷)

参加費/500円
所要時間/約10分
予約不要(受付順)

※ペーパーナプキンが無くなり次第ワークショップは終了致します。
※組版等の作業はこちらで行います。印刷自体は参加者ご自身で体験出来ます。
※ペーパーナプキンの柄は写真の花柄のみとなります。

ART PICNIC # 7




今の場所でのDictionary最後のイベントで、temp pressの活版ワークショップを開催いたします。15日はDJイベント、16日は様々なモノ作りのワークショップ、物販のマーケット、フードブースなどが出店します。夜は21時までやっております、お散歩がてらお立寄り下さい。

3月15日(金) グッバイ神南!ハローDJ(DOOR ¥1,000 )19:00-未明まで
3月16日(土)  ART PICNIC#7(入場無料)13:00-21:00

イベント詳細はコチラ

temp pressは16日(土)のみの参加です。ご注意下さい。

参加者
川辺ヒロシ、青野賢一、笠井爾示、佐々木 潤、小林 径、鈴木 哲也、福富幸宏、桑原茂一、MADSAKI、DJKEN-SKE、DJ MAAR、松浦俊夫、新田桂一、P.M.Ken、田島一成、田中知之 (FPM)、米原康正、常盤響、服部全宏、高橋 宏一、JUNGLE ROCK、高木康行、伊藤陽一郎、Day and Buffalo、岡野隆司、K.A.N.T.A、E-WAX、JAM HOME MADE、伊藤桂司、SK8THING、河村康輔、岡野隆司、現代美術二等兵、ミクラフレシア、、Muneaki Kuyama a.k.a Donald、babot、石浦 克(TGB design.)、松本 博幸(Web Magazine OPENERS)、Enlightenment、BOOK TRUCK、KIMURA、澤辺由記子(temp press)、小島淳二、塩山舞(楽膳家)、山田英季(ダーダ) 、カノムパン 、Goma(ゴマ)、griot.


場所
ディクショナリー倶楽部(東京都渋谷区神南1-2-5)
原宿駅から代々木競技場、NHK方面へ徒歩約7分渋谷駅 ハチ公口よりタワーレコード、元電力館方面へ徒歩約10分


Saturday, January 12, 2013

2013年度 株式会社パルコ年賀状


2013年度/株式会社パルコ年賀状のデザインを担当しました。

スクリプト書体のパーツを再構成したタイポグラフィーと細かい鱗状の型押しがヘビを思わせる巳年の干支年賀状です。

temp press 2013年度年賀状おさらい




これは明治の文豪・夏目漱石(本名/金之助)の年賀状です。

最上級の新年のご挨拶が直接相手に会うことだとしたら、年賀状はそれが叶わぬ相手へのご挨拶代わりとなるものです。まるで名刺がポストに届いたようなこの年賀状は、ご挨拶周りと年賀状のちょうど間くらいの案配が何とも絶妙です。そもそも名刺の誕生は、訪問先が留守だった際に、扉に名前を書いた紙を差し入れて到来を告げたことが始まりです。「名前を刺す」で名刺なのです。本日はあなたにお会いすることが叶いませんでしたので、メッセージを残して帰宅しましたというストーリーの年賀状なのです。

今年のtemp pressの年賀状は、夏目漱石の年賀状を現代に復刻してみようという試みでした。



和紙はかつて加賀藩の御用紙漉場として栄えた、金沢の二俣町の二俣和紙を使用しました。現在では二俣和紙は漉いている人がほとんどいなくなってしまっています。一年に一度夏の時期にだけ漉かれる貴重な和紙をこのために譲って頂きました。

夏より少しづつ進めた年賀状。届いた皆様いかがでしたか?皆様にとって良き一年でありますようお祈り申し上げます。

temp press 2013年度年賀状




あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

澤辺由記子(temp press)


Sunday, October 21, 2012

アカデミック・リンク/図書館から広がる新しい学び—千葉大学の取り組みに触れて

「アカデミック・リンク」

 それは決して目に見えません。 

あなたの知ってる言葉で言い換えると、「ひらめき」といえるのかもしれません。一見繋がっていないものを繋げることで新しい価値を見出した時、いつもの風景が全く違うものに見えてくる。そんな新しい視点の発見はあなたの世界を大きく変えます。

 人はそんな瞬間を求めて学び続けるのか、学び続けるとそんな瞬間に出会えるのか。「ひらめき」は学びの中に隠された喜びであり、あなたの「学びの道しるべ」になります。生涯学び続ける糸口を大学時代に見つけ出して欲しいと、私たちは願っています。 

テーマの異なる4つの棟(黙考する図書館/知識が眠る図書館/対話する図書館/研究・発信する図書館)を有する千葉大学附属図書館本館は、従来の静的な図書館と新しく生まれた動的な図書館がそれぞれ特徴を活かしたサービスを提供しながら、あなたの学びをサポートします。


「千葉大学附属図書館本館利用案内」より




 コペルくんへ

 「ニュートンの林檎の話は知ってるね?あの万有引力を発見したあれさ。ニュートンが偉かったのは重力と引力が同じものじゃないかと考えついただけじゃない。その思いつきからはじまって大変な努力をして実際にそれを確かめたことにあるんだよ。これが普通の人にはできないような難しいことだったんだ。でも最初の思いつきがなかったら、その研究もはじまらなかったのだからなかなか大変な思いつきじゃないか。偉大な思いつきというのは、案外簡単なとこにあるんだね。だから、あたりまえのことが曲者なんだよ。わかりきったことをどこまでも追いかけてゆくと、もう分かりきったことなんていってられないことにぶつかるんだよ。」

 おじさんより

「君たちはどう生きるか」吉野源三郎/岩波文庫より抜粋



かたらいの森には、目には見えない秘密の林檎の木がある。
それは見いだそうと追い求める者の前にしか現れない。

「アカデミック・リンク!」
ようこそ、「ひらめきの図書館」へ。

千葉大学附属図書館本館を再び訪ねて



リニューアルオープン後初めて、建築家の中山英之さんと一緒に「千葉大学附属図書館本館」を訪れました。大学図書館の設計に携わった経験のある中山さんに「嫉妬するほど素晴らしい図書館の運用」と言わせるほどに、新図書館(対話する図書館)と旧図書館(静かな図書館)を自由に行き来きしながら思い思いの学習に取り組む生徒達の姿は、図書館利用案内の冊子の制作を通して微力ながらもご協力させて頂いた私達の胸を打ちました。

オープンから半年、最も利用の多い日で約5000人とのことですから、図書館関係者の皆様の誇らしい顔は想像に難くないでしょう。利用案内の冊子も初版の1万部がたった1ヶ月で足りなくなってしまい、慌てて増刷したというエピソードも、いかに千葉大学附属図書館が大学内外から高い注目を集めているかを示しています。前述の「ACTIVE LEARNING WORKSHOP」の成果は言うまでもないでしょう。

最も注目すべき点は、対話する新しいスタイルの図書館を作ったことではありません。千葉大学の「アカデミック・リンク」という名の先見のある教育改革プロジェクトの存在です。その取り組みを学内に広げていくための最初の布石として図書館がオープンしたに過ぎないのです。上物を作って満足してしまうことの多い公共施設において、成し遂げたい計画やコンテンツに対して教育の現場にいらっしゃる先生方が大変熱心であることが、私達がこのお話をお引き受けするにあたってとても心を動かされたことでした。

中山さんの描いた想定図と実際の利用の様子を比べてみると、かなり完成度が高いので大変驚いてしまいました。建築図面と搬入家具などの資料を見ながら完成図を描くのは普通のイラストレーターには大変困難な作業ですが、そこは経験豊かな建築家ならではの職能ですね。

教育というものは、とてもロマンチックな仕事です。私達は先生方と一緒に生徒達の未来を眼差すことが出来たのでしょうか?そうであれば幸いです。千葉大学の「アカデミック・リンク」のこれからに、どうぞ皆様ご注目下さい。


千葉大学附属図書館館長・竹内比呂也先生と建築家・中山英之さん
新図書館(対話する図書館)と旧図書館(静かな図書館)の境界線上にて


千葉大学附属図書館本館利用案内



千葉大学附属図書館本館の新館のリニューアルオープンに合わせて利用案内の冊子の制作を担当いたしました。以前担当した伊東豊雄さんの設計した図書館のガイドブック「多摩美術大学図書館の利用のてびき」を気に入って下さってのご依頼でした。編集、イラストレーション、写真、デザインまで、印刷以外のほぼすべての工程を、前回同様に建築家の中山英之さんと私の二人で取り組みました。前回と大きく違うことは、今回の図書館の建築設計に中山さんは全く携わっていないということです。

旧図書館2棟に今回増築された新図書館2棟を合わせた4棟は、すべてテーマの異なる図書館となっています。従来の静かな旧図書館に対して、声を出して議論をしながら学習する「対話する図書館」が、新館のリニューアルの目玉となります。極めて特異なこの状況をどのように冊子に反映するかが、私達に課せられた最大のミッションでした。

図書館の位置関係と図書館の利用のルールの大きな違いを理屈抜きに知覚的に理解してもらうために、私達は少し大胆な造本設計を提案しました。

中とじ本文を左右均等に分け、両観音開きの表紙を折り込むことによって、右開きのページと左開きのページを作り出し、縦書きと横書きの二つのエディトリアルで、静かな旧図書館(縦書き)と対話する新図書館(横書き)を表現するというものでした。

これは旧図書館、新図書館それぞれのスタッフが各々納得のいく造本仕様だった様です。両者に大きくコントラストを付けながら、最終的にグラデーション豊かな一つの図書館が立ち上がる様に配慮しながら関係者一同、編集とデザインに取り組みました。


その編集会議は「ACTIVE LERANING WORKSHOP」と名付けられました。その由来は新図書館で推奨される対話する学びは、千葉大学内では「アクティブ・ラーニング」と呼ばれているからです。「どうしたら素敵な図書館利用案内が出来るのか」をテーマに議論を繰り広げながら、新しい学習の有用性を試してみようというものです。中山さんと私が朝から晩まで常駐し、仕事や授業の合間に自由に立ち寄り、壁に貼られたメモを読んだり、質問をしたり意見を言うことが出来る様にしました。そうやって連日に渡り白熱する議論が続きました。

さて、その成果はどうだったでしょうか?
その答えはオープンした図書館の見学を通してお伝えしたいと思います。

Tuesday, July 03, 2012

Found MUJI 2 DAY SHOWS WORKSHOPおさらい


6/23(土)24(日)はウィンドウ内に作られたtemp pressの工房にて、便箋に活版で名前を入れてオリジナルのレターセットを作ることが出来るワークショップを行いました。



活字を拾い、組み付けて、印刷機にセット。


お客様自身の手で印刷機を動かして印刷します。


きゅっと、ほんのり紙に食い込む文字がいい感じ。


すでに一点モノの手染めのレターが、さらに自分だけのオリジナルレターセットになりました。





普段あまり見ることのない光景に、店内からも通りからも自然と人が集まりました。


活版を生まれて初めて目にする、体験するという方が多かったと思います。自分で作った印刷物を見た時の驚きと嬉しさの混ざった皆さんの表情はとても印象的です。私が博物館の工房で活版のワークショップを担当していた時から、参加者はいつもいつでも同じ反応をするのです。

私が初めて活版をした時も、そんな風だったのでしょうか?きっとそうだったのだろうと思います。