Sunday, October 21, 2012

千葉大学附属図書館本館利用案内



千葉大学附属図書館本館の新館のリニューアルオープンに合わせて利用案内の冊子の制作を担当いたしました。以前担当した伊東豊雄さんの設計した図書館のガイドブック「多摩美術大学図書館の利用のてびき」を気に入って下さってのご依頼でした。編集、イラストレーション、写真、デザインまで、印刷以外のほぼすべての工程を、前回同様に建築家の中山英之さんと私の二人で取り組みました。前回と大きく違うことは、今回の図書館の建築設計に中山さんは全く携わっていないということです。

旧図書館2棟に今回増築された新図書館2棟を合わせた4棟は、すべてテーマの異なる図書館となっています。従来の静かな旧図書館に対して、声を出して議論をしながら学習する「対話する図書館」が、新館のリニューアルの目玉となります。極めて特異なこの状況をどのように冊子に反映するかが、私達に課せられた最大のミッションでした。

図書館の位置関係と図書館の利用のルールの大きな違いを理屈抜きに知覚的に理解してもらうために、私達は少し大胆な造本設計を提案しました。

中とじ本文を左右均等に分け、両観音開きの表紙を折り込むことによって、右開きのページと左開きのページを作り出し、縦書きと横書きの二つのエディトリアルで、静かな旧図書館(縦書き)と対話する新図書館(横書き)を表現するというものでした。

これは旧図書館、新図書館それぞれのスタッフが各々納得のいく造本仕様だった様です。両者に大きくコントラストを付けながら、最終的にグラデーション豊かな一つの図書館が立ち上がる様に配慮しながら関係者一同、編集とデザインに取り組みました。


その編集会議は「ACTIVE LERANING WORKSHOP」と名付けられました。その由来は新図書館で推奨される対話する学びは、千葉大学内では「アクティブ・ラーニング」と呼ばれているからです。「どうしたら素敵な図書館利用案内が出来るのか」をテーマに議論を繰り広げながら、新しい学習の有用性を試してみようというものです。中山さんと私が朝から晩まで常駐し、仕事や授業の合間に自由に立ち寄り、壁に貼られたメモを読んだり、質問をしたり意見を言うことが出来る様にしました。そうやって連日に渡り白熱する議論が続きました。

さて、その成果はどうだったでしょうか?
その答えはオープンした図書館の見学を通してお伝えしたいと思います。

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