Saturday, February 28, 2009

歩きながら考える




歩きながら考える」という小冊子の3号目の表紙のデザインをお手伝いいたしました。表紙は毎号違うデザイナーをお迎えするのがスタイルだそうです。

この本には必ず「歩きながら考える宣言」という文章が最初に載っています。読んでみると「この本をちょこっとポケットに入れて外へ出てみよう」とあります。装丁を考える時に、ポケットに入れて出歩く本なんてあまり想定しないですよね?奇妙だけどユニークなのでデザインはそこをもっと伸ばしてみたら面白そうだと思いました。今号のテーマ「道」にどう寄り添うのか、編集部のみなさんとその在り方を考えてみました。

試しにポケットに入れてみて下さい。多分あなたのポケットに入らないと思います。本当にちょこっとしか。何故ならこの本は色々な意味で少し成長してしまったので、もうポケットには収まらなくなってしまったのだと思います。成長期ですから次号はもっと大きいんじゃないでしょうか?

今回は表紙の文字部分を活版印刷した原寸の原稿をたった一つだけ作り、それをオフセットで印刷しました。活版がオリジナルプリントでオフセットがマスプロダクトという構図になります。temp pressは自分の手で活版を印刷(マス)の外に出しました。

活版印刷は印刷の役目を終えて居場所を移そうとしています。それを誰も止められはしないし、私はそれを止めようと思っていません。活版もそのサイズや目方の在り方がまさに今変わろうとしているのではないでしょうか?

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