Wednesday, March 04, 2009
合字のこと
ぬりえ書体見本帳の上から6段目に見なれない文字が5つ並んでいます。このぬりえで初めて見たという方がとても多いのです。学校の英語の授業では教えてくれなかったのですからそれは当然のことだと思います。
小文字のfの次にiやlがくるとぶつかりの気になる黒い塊が生じます。これを解消するために合字に置き換えることは欧文組版のルールです。そうすると図の様にリズムの良い組版になります。活字の時代にはたいてい5つの合字が揃っていました。
fとiを組み合わせたものをエフアイと読みます。「そんなの分かるよ。」って言われそうですが、私が初めてこの合字と出会ったのは欧文のダブルケースの中のもの言わぬ鉛の活字でした。しばらく逆さまの文字とにらめっこしたのですが、私はこの文字が読めなかったのです。そして隣にいた職人さんがそれをエフアイと呼んだのを聴いて、そう呼んでいいのだと知ったのです。日本語で書かれた欧文書体の解説書の中で合字に読み方が書いてあるものを一度も見たことがありません。それで敢えてここでは書いてみました。少し間が抜けているかもしれません。でも私の様に良い先生が隣にいるとは限りませんから。
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