Saturday, January 29, 2011

世界の活版印刷グラフィック・コレクション



世界の活版印刷グラフィック・コレクション
シャーロット・リバース著
グラフィック社

随分とご紹介が遅れましたが、昨年の10月に「Reinventing Letterpress: Prints by Contemporary Practitioners」の日本語版が刊行されました。

Illuminating letters-Garamondの場合」の書体ぬりえポスターが紹介されています。

以前にご紹介した「LITTLE BOOK OF LETTERPRESS」(アメリカ版)と中身は一緒です。書店の美術書やデザイン書のコーナーなどで見かけますので、お暇でしたら立ち読みしてみて下さいね。

Friday, January 21, 2011

ゆかり色のtinted envelope



良縁成就・むすび札/パープルリボン限定ゆかり色」の制作時に出来た、ゆかり色で染めたクラフト封筒をパープルアイズさんに納品いたしました。近々「むらさき屋」さんのお店にお目見えすることと思います。茶色に紫が大変美しい仕上がりになっておりますので、是非お店でお手にとってみて下さい。

暴力のない世界を想像することの方が困難であるように思われますが、一人でも多くの女性がそのようなことに遭遇しないよう、微力ながらむすび札を作ることでお祈りするばかりです。今回ゆかり色のむすび札をご注文頂いたお客様には重ねてお礼を申し上げます。

Thursday, January 13, 2011

Joanna and Granjon



これはわたしのストールです。プリントされた文字は「Joanna」。

ある日、わたしが巻いたこのストールを見て、まったく同じものを所望した人がいます。わたしは最初お断りしようと思いました。しかし、あることに少し興味を引かれたために注文を受けることにしました。何故ならその人が書体は「Granjon」で作って欲しいと指定したからです。

「Joanna」はEric Gillが愛娘のJoanから名前をつけた書体です。彼はこの文字を自分の印刷工房でプライベートに使うためにデザインしたのですが、そのインスピレーションを「Granjon」から得たと言われています。

書体というのは何かをベースに改良を加えて新しい書体が出来上がるといった風に、まるで血のつながった肉親のような書体が存在します。わたしはこの機会にそのことを探ってみようと思ったのです。



残念ながらその謎はその時はっきりとは解けませんでした。わたしは今もくたくたになるまでこのストールを巻いていますが、ぼんやりと新しい光明が見えたように思います。それは少し先の新しいインスピレーションなのですが、その時まで答えを少し保留しようと思います。

海辺のジェンソン



これは一昨年前、私がある女性のために作ったストールである。プリントされているアルファベットは「Jenson」。そして彼女は一枚の写真を送ってきた。

「どうして彼女はJensonのストールを持って海辺に出かけたのだろう?」

Nicolas Jenson(1420-1480)は、イタリアのヴェネツィアで印刷業をはじめることになる。彼が印刷に出会うことになったのは一つのきっかけがありました。トゥールーズにある造幣局の責任者だった彼はある日、シャルル7世の命を受けてドイツで発明されたという最新の技術を学ぶためにマインツへ赴くことになりました。最新の技術とはもちろんグーテンベルグの発明した「活版印刷」。しかし、シャルル7世が逝去したため、彼はフランスへ活版印刷を持ち帰る拘束力を失ってしまいました。彼が目指したのはどういう訳か、水の都ヴェネツィアだった。

「どうして彼は海辺へ出かけたのだろう?どうしてこの地で私達が日常使っている現代の美しいアルファベットの礎を築くことになるのか?それは突如私達の文字の世界を変えた。それは海辺でないと生まれなかったのだろうか?」

もし彼がパリに帰っていたら活版印刷の歴史は大きく変わっていたに違いない。フランスで活版印刷が華開くのは、Jensonのせいでもう少し先延ばしになってしまったのだから。

Saturday, January 08, 2011

あけましておめでとうございます



うさぎの「いち」と「やく」です。
「いっちゃん」と「やっくん」をどうぞよろしくお願いいたします。

澤辺由記子(temp press)