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Thursday, January 13, 2011

Joanna and Granjon



これはわたしのストールです。プリントされた文字は「Joanna」。

ある日、わたしが巻いたこのストールを見て、まったく同じものを所望した人がいます。わたしは最初お断りしようと思いました。しかし、あることに少し興味を引かれたために注文を受けることにしました。何故ならその人が書体は「Granjon」で作って欲しいと指定したからです。

「Joanna」はEric Gillが愛娘のJoanから名前をつけた書体です。彼はこの文字を自分の印刷工房でプライベートに使うためにデザインしたのですが、そのインスピレーションを「Granjon」から得たと言われています。

書体というのは何かをベースに改良を加えて新しい書体が出来上がるといった風に、まるで血のつながった肉親のような書体が存在します。わたしはこの機会にそのことを探ってみようと思ったのです。



残念ながらその謎はその時はっきりとは解けませんでした。わたしは今もくたくたになるまでこのストールを巻いていますが、ぼんやりと新しい光明が見えたように思います。それは少し先の新しいインスピレーションなのですが、その時まで答えを少し保留しようと思います。

海辺のジェンソン



これは一昨年前、私がある女性のために作ったストールである。プリントされているアルファベットは「Jenson」。そして彼女は一枚の写真を送ってきた。

「どうして彼女はJensonのストールを持って海辺に出かけたのだろう?」

Nicolas Jenson(1420-1480)は、イタリアのヴェネツィアで印刷業をはじめることになる。彼が印刷に出会うことになったのは一つのきっかけがありました。トゥールーズにある造幣局の責任者だった彼はある日、シャルル7世の命を受けてドイツで発明されたという最新の技術を学ぶためにマインツへ赴くことになりました。最新の技術とはもちろんグーテンベルグの発明した「活版印刷」。しかし、シャルル7世が逝去したため、彼はフランスへ活版印刷を持ち帰る拘束力を失ってしまいました。彼が目指したのはどういう訳か、水の都ヴェネツィアだった。

「どうして彼は海辺へ出かけたのだろう?どうしてこの地で私達が日常使っている現代の美しいアルファベットの礎を築くことになるのか?それは突如私達の文字の世界を変えた。それは海辺でないと生まれなかったのだろうか?」

もし彼がパリに帰っていたら活版印刷の歴史は大きく変わっていたに違いない。フランスで活版印刷が華開くのは、Jensonのせいでもう少し先延ばしになってしまったのだから。

Sunday, November 01, 2009

文字が世界から降りてくる



文字が世界から降りてくる



文字が不時着する



文字が逆さに秩序をもつ



文字がさらに逆さに留められる



文字が逆さの逆さで表に定着する



すると文字の向こうに人が現われる

Friday, October 30, 2009

文字は世界のどこにあるのか?



文字の中に世界がある。



世界の中に文字がある。



文字が世界から剥がれ落ちるのか?
それとも世界が文字の裏から出現するのか?

Monday, May 25, 2009

Positive letters and Negative letters


これは私が塗ったGaramond。
A to Zを切り抜いてひとつひとつ塗りました。展示の大きな見本帳は、最初はバラバラのアルファベットでした。一つの文字を塗ると、いっぺんに二つの文字が出来ました。文字は内側と外側がせめぎあって出来上がっている。書体設計はこの境界線をどうさだめるかということなのじゃないだろうか?だから文字は内側も外側も塗ってみるべきだと思う。

一年前の印刷を振り返る





「Illuminating letters- Gramondの場合」ぬりえ書体見本帳の印刷風景。

みなさん一年経ってもどうも大胆に塗れない(全く塗ることが出来ない)様なので、ポスターを印刷してる裏側をお見せしたいと思います。活版とはいえ機械の印刷機で印刷していますから、そんなに及び腰にならなくてもいいんじゃないかと思うのです。みなさんそろそろ塗ってみませんか?失敗しても別にいいじゃないですか。もし塗ったらぬりえをデジカメで撮影して、どうやってぬりえに取り組んだのかご感想を添えてメールで送って下さい。ブログでご紹介していきたいと思っています。

Typography and Typology




ある大学の研究室から届きました。

「8」を塗って、その後「r」を塗ったそうです。「e」と「r」を少し迷ったそうですが、「r」にした。フランス語の「r」の音にもならないような微妙な存在がいいなと思って、理由が無いようなぬりえにしたかったそうです。

薄いオレンジ色はまるであぶり出しの様で、初夏には爽やかでいいかもしれません。願わくばもう少し塗って欲しいなと思うのですが、ベッヒャーのポスターの隣という辺りに、先生の大変なエスプリを感じます。

Wednesday, March 04, 2009

ある英米文学研究室のGaramond




ある英米文学研究室のtemp pressのぬりえ書体見本帳・Illuminating letters-Garamondの場合。アルファベットで綴られた文学をご専門に研究されている方がいったいどんな風にこのぬりえに取り組んでくれたのでしょう。大変興味深いですね。

まず真っ赤な文字がとても美しいですね。何故赤い色で塗ったのでしょうか?他にも様々な色があるのに。何故この文字だけ塗ろうと思ったのでしょうか?他にも様々な文字があるのに。何故文字の中を塗ったのでしょうか?文字の外側にも塗る部分があるのに。

そういうのがとても面白いと思いませんか?このぬりえを塗ったらGaramondについて分かるのでしょうか?私はそんなことは保証しませんが、あなたがこの書体に極めて個人的な距離を持つことになるだろうと想像します。書体をどういう風に知っているかはあなたの書体チョイスに影響を与えます。Garamondをレタリングしたことある人をデザインを学ぶ学生の中に見つけることは容易ですが、Garamondをぬりえしたことある人が何人いるのでしょうか?そういう経験のヴァリエーションがあなたの書体チョイスの個性になって必ず実を結ぶはずです。

Illuminateは彩色する、輝かせる、解明するという意味です。

彩色された文字はあなたの前で活き活きと輝きはじめます。それは文字を解明する旅へ漕ぎ出すあなたの行き先を照らし続ける光となるはずです。

もしぬりえをしてみたくなった方は青山にある旅をテーマにした書店・BOOK246の店頭とweb通販でお買い求め頂けます。