Monday, August 29, 2011

活版レシピ「はじめての鋳造」おさらい

























参加者の皆様、暑いなか遠方までお越し頂きありがとうございました。

金属活字がどのように作られ、どのような手順を踏んで印刷に使われるのか?印刷後の活字はいったいどうなるのか?普段かいま見ることのない裏側を実習と解説を織り交ぜながらの真夏のツアーはいかがだったでしょうか?

金属活字は印刷に使用後、再度溶かされて新しい活字を鋳込み直します。金属活字は常にリサイクルされ、新陳代謝を繰り返し続けることで美しい印刷をキープしています。しかし、このことはあまり一般には知られていません。

参加者の皆さんにはひとりづつ活字の鋳造を体験して頂くことが今回最大のミッションでした。何故なら普段活字ケースにしまわれている冷たい金属の活字は、出来立ての瞬間だけほんのり温かいからです。これは必ず全員にご自身の手で触れて頂きたかったのです。

活字は生まれた時に温かく、拾う時に人の手によって温め直され、組版する時にまた人の手によって温め直され、印刷する時には版を直接触りながら温め直されます。そうしてようやく印刷物が生まれます。

活版印刷の独特のぬくもりが近年見直されていますが、その魅力は目に見える圧や刷り味のことではなく、印刷物をいくら眺めても決して見つけられない「隠された温度」を見るものに感じさせるからではないでしょうか?




















tempとはtemperature(温度・体温)の略。temp pressは、活版印刷に隠された体温を現代に映しとるプロジェクトです。わたしがtemp pressというプロジェクトをはじめて数年経ちますが、皆さんに直接お伝えする機会を持つことが出来たことは私にとってもこの上ない喜びでした。

















また、3月の震災で多くの活字が棚から落ち床に散らばった状態から、活字鋳造を一からやり直しようやく立て直ってきたところですので、印刷所のスタッフにとっても大きな励みとなりましたことを皆様に感謝いたします。

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