リニューアルオープン後初めて、建築家の中山英之さんと一緒に「千葉大学附属図書館本館」を訪れました。大学図書館の設計に携わった経験のある中山さんに「嫉妬するほど素晴らしい図書館の運用」と言わせるほどに、新図書館(対話する図書館)と旧図書館(静かな図書館)を自由に行き来きしながら思い思いの学習に取り組む生徒達の姿は、図書館利用案内の冊子の制作を通して微力ながらもご協力させて頂いた私達の胸を打ちました。
オープンから半年、最も利用の多い日で約5000人とのことですから、図書館関係者の皆様の誇らしい顔は想像に難くないでしょう。利用案内の冊子も初版の1万部がたった1ヶ月で足りなくなってしまい、慌てて増刷したというエピソードも、いかに千葉大学附属図書館が大学内外から高い注目を集めているかを示しています。前述の「ACTIVE LEARNING WORKSHOP」の成果は言うまでもないでしょう。
最も注目すべき点は、対話する新しいスタイルの図書館を作ったことではありません。千葉大学の「アカデミック・リンク」という名の先見のある教育改革プロジェクトの存在です。その取り組みを学内に広げていくための最初の布石として図書館がオープンしたに過ぎないのです。上物を作って満足してしまうことの多い公共施設において、成し遂げたい計画やコンテンツに対して教育の現場にいらっしゃる先生方が大変熱心であることが、私達がこのお話をお引き受けするにあたってとても心を動かされたことでした。
中山さんの描いた想定図と実際の利用の様子を比べてみると、かなり完成度が高いので大変驚いてしまいました。建築図面と搬入家具などの資料を見ながら完成図を描くのは普通のイラストレーターには大変困難な作業ですが、そこは経験豊かな建築家ならではの職能ですね。
教育というものは、とてもロマンチックな仕事です。私達は先生方と一緒に生徒達の未来を眼差すことが出来たのでしょうか?そうであれば幸いです。千葉大学の「アカデミック・リンク」のこれからに、どうぞ皆様ご注目下さい。
千葉大学附属図書館館長・竹内比呂也先生と建築家・中山英之さん
新図書館(対話する図書館)と旧図書館(静かな図書館)の境界線上にて
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