Thursday, April 16, 2009
Wednesday, April 15, 2009
Tuesday, April 14, 2009
Friday, April 10, 2009
馬のある風景

ここに合成された写真がある。
これは内容の異なる二種類のスライドから作られている。

ひとつはレーモン・クノーの「百兆の詩篇」、もうひとつは府中競馬場。ステレオ写真のスライド箱を開けたら一番上にあった。これには思わず口を緩めてしまいました。
今年まだ厚手のコートが必要な頃、ある方が写真と同じクノーの詩集を見せてくれました。その方は「僕が物書きという仕事を始めるきっかけになったのは実は競馬なの。」そういって初めての著作にまつわるお話を聞かせてくれました。「僕にとって競馬はラッキーなもの。文と馬は一緒に思い出される、競馬場の群衆もその本と繋がってる。」
私にとっても文と馬はセットです。活版印刷において活字がある場所を馬棚(馬)と呼ぶ。私に文選の手ほどきをして下さった職人さんは、ギャンブラーで競馬が大好きだったので、文字+馬+競馬は私にとってもワンセット。そしてその時は口にしませんでしたが、すでに着手している新作が馬にまつわるものだった。
私はあの日よりもっともっと馬棚をそして文字の群衆を凝視しています。そうしたら私の目の前にクノーの詩集と府中競馬場が飛び込んで来た。あの日がもう一度やってきた。そうやって写真は折り角、私の思考を助けてくれます。私にとって写真はいつも未来を見せてくれる。
Sunday, April 05, 2009
「維新とフランス-日仏学術交流の黎明」展

幕末、明治維新の頃のことをあれこれ調べています。日本国内における活版印刷の成立には大変涙ぐましい物語がありますが、今回はそのことではなく別の側面から活版を覗いています。まるでステレオ写真の裸眼立体視みたいに、浮かび上がってくるのを今か今かと凝視しています。どうも二眼で足りなくて、四眼なのではないかと…(笑)。それを皆様にはステレオスコープを覗いて簡単に立体的に見られる様に準備しています。
東京大学総合研究博物館で開催している「維新とフランス-日仏学術交流の黎明」展。すごく面白いエキシビジョンです。私は作った人と作ったモノを並列で理解するのが好きなんです。同じmuseumでも美術館じゃなく博物館が好きなんです。
日仏修好通商条約締結150周年記念特別展示
「維新とフランス-日仏学術交流の黎明」展
展示会期: 2009年3月28日(土)〜5月31日(日)
開催場所: 東京大学総合研究博物館
開館時間: 10:00-17:00 (入場は16:30まで)
休館日: 月曜 (祝日の場合は翌火曜)
入館料: 無料
Thursday, March 19, 2009
活字と心中するつもりの男

小林さんに初めて会ったのはもう8年前になります。
活版印刷の保存と伝承に心血を注ぎ、志半ばで亡くなった私の昔の上司が「活字と心中するつもりの男」と呼んだ。小林さんはそういう人です。
21世紀に入ってからさらに活版のシステムを継続強化するという選択をした印刷所の存在自体が奇跡なのだと思います。私が活版に出会った頃、活版はもっと見捨てられて絶望的な状況でした。小林さんの選択はまさに心中する覚悟で望むことでした。近年若い方が活版を見直しはじめたり、注目されることが多くなったことは驚くべき現象です。小林さんもきっと想像しなかったことでしょう。

小林さんは手がとても美しいんですよ。ふわりと力が抜けたような薄い手。職人の手とイメージする無骨な感じが全くないんです。自ら書いた文字の原図を手にしています。
私は小林さんの見た目が好きなんです。私が一緒にもの作りに向き合える人はいつも空気の美しい人です。そういう自分の感覚を私はとても大切にしています。
活字の意地
Wednesday, March 04, 2009
合字のこと

ぬりえ書体見本帳の上から6段目に見なれない文字が5つ並んでいます。このぬりえで初めて見たという方がとても多いのです。学校の英語の授業では教えてくれなかったのですからそれは当然のことだと思います。
小文字のfの次にiやlがくるとぶつかりの気になる黒い塊が生じます。これを解消するために合字に置き換えることは欧文組版のルールです。そうすると図の様にリズムの良い組版になります。活字の時代にはたいてい5つの合字が揃っていました。

fとiを組み合わせたものをエフアイと読みます。「そんなの分かるよ。」って言われそうですが、私が初めてこの合字と出会ったのは欧文のダブルケースの中のもの言わぬ鉛の活字でした。しばらく逆さまの文字とにらめっこしたのですが、私はこの文字が読めなかったのです。そして隣にいた職人さんがそれをエフアイと呼んだのを聴いて、そう呼んでいいのだと知ったのです。日本語で書かれた欧文書体の解説書の中で合字に読み方が書いてあるものを一度も見たことがありません。それで敢えてここでは書いてみました。少し間が抜けているかもしれません。でも私の様に良い先生が隣にいるとは限りませんから。
ある英米文学研究室のGaramond

ある英米文学研究室のtemp pressのぬりえ書体見本帳・Illuminating letters-Garamondの場合。アルファベットで綴られた文学をご専門に研究されている方がいったいどんな風にこのぬりえに取り組んでくれたのでしょう。大変興味深いですね。
まず真っ赤な文字がとても美しいですね。何故赤い色で塗ったのでしょうか?他にも様々な色があるのに。何故この文字だけ塗ろうと思ったのでしょうか?他にも様々な文字があるのに。何故文字の中を塗ったのでしょうか?文字の外側にも塗る部分があるのに。
そういうのがとても面白いと思いませんか?このぬりえを塗ったらGaramondについて分かるのでしょうか?私はそんなことは保証しませんが、あなたがこの書体に極めて個人的な距離を持つことになるだろうと想像します。書体をどういう風に知っているかはあなたの書体チョイスに影響を与えます。Garamondをレタリングしたことある人をデザインを学ぶ学生の中に見つけることは容易ですが、Garamondをぬりえしたことある人が何人いるのでしょうか?そういう経験のヴァリエーションがあなたの書体チョイスの個性になって必ず実を結ぶはずです。
Illuminateは彩色する、輝かせる、解明するという意味です。
彩色された文字はあなたの前で活き活きと輝きはじめます。それは文字を解明する旅へ漕ぎ出すあなたの行き先を照らし続ける光となるはずです。
もしぬりえをしてみたくなった方は青山にある旅をテーマにした書店・BOOK246の店頭とweb通販でお買い求め頂けます。
temp pressのインクベラ
Monday, March 02, 2009
ご褒美レシピ
Saturday, February 28, 2009
歩きながら考える

「歩きながら考える」という小冊子の3号目の表紙のデザインをお手伝いいたしました。表紙は毎号違うデザイナーをお迎えするのがスタイルだそうです。
この本には必ず「歩きながら考える宣言」という文章が最初に載っています。読んでみると「この本をちょこっとポケットに入れて外へ出てみよう」とあります。装丁を考える時に、ポケットに入れて出歩く本なんてあまり想定しないですよね?奇妙だけどユニークなのでデザインはそこをもっと伸ばしてみたら面白そうだと思いました。今号のテーマ「道」にどう寄り添うのか、編集部のみなさんとその在り方を考えてみました。
試しにポケットに入れてみて下さい。多分あなたのポケットに入らないと思います。本当にちょこっとしか。何故ならこの本は色々な意味で少し成長してしまったので、もうポケットには収まらなくなってしまったのだと思います。成長期ですから次号はもっと大きいんじゃないでしょうか?
今回は表紙の文字部分を活版印刷した原寸の原稿をたった一つだけ作り、それをオフセットで印刷しました。活版がオリジナルプリントでオフセットがマスプロダクトという構図になります。temp pressは自分の手で活版を印刷(マス)の外に出しました。
活版印刷は印刷の役目を終えて居場所を移そうとしています。それを誰も止められはしないし、私はそれを止めようと思っていません。活版もそのサイズや目方の在り方がまさに今変わろうとしているのではないでしょうか?
Monday, February 02, 2009
お取り扱い店追加のお知らせ

冬の金沢は水が美しいです。
晴天だと雪解け水が落ちてきて、兼六園の池にも浅野川にも辰巳用水にも美しい波紋を描きはじめます。あちこちで水を感じる時、何故この地が金沢というのか、和菓子屋さんを覗くと干菓子のモティーフに水の波紋が多く見受けられるのか、納得させられます。
金沢21世紀美術館のミュージアムショップでVIGNETTE GREETING CARDS、tinted envelopeのお取り扱いがはじまります。引き続きGREAT TYPE DESIGNERS SERIESもお手に取って頂けます。
金沢21世紀美術館ミュージアムショップ
金沢市広坂1−2−1
Tel 076-236-6072
http://kanazawa21.jp
私の名字は澤辺、澤の辺りと書きます。だから澤まわりはいつも私と縁が深いです。金沢は黄金に輝く澤ですから特別です。
Friday, January 30, 2009
Friday, November 14, 2008
tinted envelope S,M.L

「tinted envelope」(染められた封筒)は、ある日印刷機の掃除中クラフト紙にインクを吸い取らせたらあまりに美しかったことと、長年印刷をする度に無駄なインクが出ることにもったいなさを感じていたことが重なって生まれました。temp pressの印刷物から色をもらって染められた封筒は言わば「印刷所のまかない」です。印刷作業の最後にはいつも新しい封筒が生まれます。それを私自身がとても楽しんでいます。出来ただけのまかない生産のため数に限りがあります。お気に入りを見つけたらすぐ手に入れて下さいね。

tinted envelope
(封筒+カード付き)
S :¥150 (70×105mm)
M :¥250 (94×140mm)
L :¥350(105×215mm)
クラフト紙に活版インクで一枚一枚手染め
お取り扱い店のご案内
BOOK246
107-0062
港区南青山1-2-6ラティス青山1F
Tel 03-5771-6899
www.book246.com
Calo Bookshop and Cafe
550-0002
大阪市西区江戸堀1丁目8-24若狭ビル5F
Tel 06-6447-4777
www.calobookshop.com
金沢21世紀美術館ミュージアムショップ
金沢市広坂1−2−1
Tel 076-236-6072
http://kanazawa21.jp
http://kanazawa21.jp
恵文社一乗寺店
606-8184
京都市左京区一乗寺払殿町10
075-711-5919
www.keibunsha-books.com
Tuesday, November 11, 2008
VIGNETTE CHRISTMAS CARD

「VIGNETTE GREETING CARD」に12月25日までの期間限定でクリスマスカードが加わります。パールの用紙はまるでキラキラ光る雪のようで、赤と緑のVignetteのクリスマスツリーは華奢で決して豪華ではありませんが、静かにクリスマスをお祝いする気持ちがあなたの大切な方に届きますように。
VIGNETTE GREETING CARD

temp pressの初めてのグリーティングカードのラインを発表いたします。その名も「VIGNETTE GREETING CARD」。Vignetteとは小型の花形装飾の意で、またの名をPrinters ornament、Printers flowerとも言います。デザインに絵や写真を自在に使えなかった時代、文字だけの書物に彩りを加えたのはそういったささやかな花形装飾でした。歴史上のタイプデザイナーは多くの優れた花形装飾もデザインしています。そんなVignetteを使った挨拶状をあなたの特別な人の記念日に是非ご用立て下さい。
VIGNETTE GREETING CARD
花形装飾挨拶状(二つ折りカード+封筒付き)
Happy Birthday
Congratulations
Thank you
Merry Christmas(期間限定)
Size 108×155mm(Card), 114×162mm・洋2(Envelope)
Price 480円(including tax)
お取り扱い店のご案内
BOOK246
107-0062
港区南青山1-2-6ラティス青山1F
Tel 03-5771-6899
www.book246.com
Calo Bookshop and Cafe
550-0002
大阪市西区江戸堀1丁目8-24若狭ビル5F
Tel 06-6447-4777
www.calobookshop.com
金沢21世紀美術館ミュージアムショップ
金沢市広坂1−2−1
Tel 076-236-6072
http://kanazawa21.jp
http://kanazawa21.jp
恵文社一乗寺店
606-8184
京都市左京区一乗寺払殿町10
075-711-5919
www.keibunsha-books.com
Monday, September 15, 2008
「ぬりえ書体見本帳」お取り扱い追加のお知らせ

「ILLUMINATING LETTERS-Garamondの場合」がCalo Bookshop & Cafeにてお取り扱いが始まりました。現在関西でお手に取ってご覧頂けるお店はこちらのみとなります。すべてにエディションナンバーが入っていますが、現在CaloではNo.52〜61が手に入ります。
Calo Bookshop and Cafe
550-0002
大阪市西区江戸堀1丁目8-24若狭ビル5F
Tel 06-6447-4777
12:00-20:00(土曜18:00まで)
定休日 日・月(祝日の月は営業)
お店の方からの質問にお答えします。
Q ポスターの紙がふわふわですが、なんていう紙ですか?
A ハーフエアという紙です。空気をまとった様に軽くて、ぬりえを塗っている手に擦れる紙のザラ感が心地よいです。活版で刷った際、時間が立つとインクが深く沈みこんできて育ちそうな紙だなと思って選びました。
Q エディションのナンバーの色が違うのは何故ですか?
A 1〜10までピンク、11〜20まで黄緑、21〜30までピンク、31〜40まで黄緑という具合に10づつ色が異なります。お好みで選んで下さい。つまりCaloでは黄緑が多いということになりますね。
実は先のBOOK246でもCaloでもお店のスタッフの方がポスターを手巻きして下さっているので、巻き具合が店によって違うんです。Caloは若干緩めの太巻きだそうです。
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